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じゅんれい

じゅんれい
じゅんれい
おまわりさんの品格。
 警察署というところは、社会の安全を守るために存在するものではなく、犯人を作り上げるところのようだ。
ある日ある時わたしは、心ならずもあるいざこざに遭遇してしまった。
そのいざこざの渦中の人物がたまたま知人であった。
よって目撃証人とされてしまい、事情聴取をということになってしまった。
住所氏名連絡先を聞かれ「連絡を入れることがあるかも知れません、その時は警察署まで来てください」だって。
あるかも知れません、なんて曖昧なこと言っちゃって、連絡入れますとはっきり言ったらどうなのかしら。
おまけに来いとはなにごとなの、用事があるのならそちらが来てくださいよ。
出向くことになった場合は、日当交通費支給してくれるのですか。
それからややあって、警察署なるところから連絡があった。
あったはいいが、電話番号が違っていた、わたしがでたらめを告げたというではありませんか。
流石、はなから疑ってかかるお仕事です。
呼びつけておいてなんという言い草なのか、ついにわたしは頭に血がのばった。
「あなたのおかけになった番号はOO番じゃありませんか、宅はOO番ですよ、皆さんよくお間違いになられます。
確認なさらないと相手方は迷惑ですよね、警察署です、なんて」確かにぞろ目続きで間違いやすい番号ではあるのだが、気をつければなんということはないのだ。
 権威、権限で物を言ってもらってはこまります。
「こちらへどうぞ」こちらへどうぞって、取り調べ室じゃないの。
取り調べ室、カツ丼。
失礼しちゃうわね。
わたしは取り調べられるようなことは何もないのだけれどね。
へえ、結構狭いところなのね。
窓には鉄格子がはめられている。
机にパイプ椅子。
おまわりさんドラマに出てくるのとそっくりだ。
 さて、事情聴取が始まった。
わたしは見たままを語るのだが、どうもそちら側の都合のいいように、誘導尋問を駆使して事を運んでいるような気がしてならない。
わたしは身を乗り出しておまわりさんの手元を凝視した。
 調書なるものに記されている文面には、明らかに先はどからわたしが言っている内容と違っている部分があるではないか。
「あの、申し訳ないのですが、わたしが話したことと違っていますが書きなおしてくださいますか」 「……」 できるはずもないことは充分わかっているのだが、わたしの好奇心が動きだしたのだから仕方がないのだ。
 わたしは正義を尊ぶ善良な市民なのです。
ああだこうだと食い下がるわたしにおまわりさんは、話をそらしたり宥めすかしたりしながら事を進める。
時には凄んでみたりしている。
凄んでみせたところで、このおねえさんは少しも怖くなんかないのだ。
おねえさんを侮ってはいけません。
「ほら、また違っているじゃないですか、きちんと言った通りに書いてくださいませんか。
独断専行はいけないんじゃないですか」 いちいち訂正を求めるわたしにおまわりさんはイライラし始めた。
へたな出方をすれば遜色が濃くなると踏んでか少しは手加減しているようだ。
つい調子に乗ってああだのこうだのと食い下がるこのおねえさん、おもしろかっている節がないでもない。
権威、権力に伏してたまりますか。
あなた方の給料の一部は市民の汗の結晶なのですよ。
公務員さんは、市民の、国民の、公僕であっていただきたいものです。
(生意気言ってゴメンナサイ)結局、調書の記載はあくまでも独断的に進められていったのだった。
よってわたしの見解は、警察署というところは、事にあたって検挙したからには、犯人を仕立てあげ一刻も早く事を処理し、検挙率を上げるのが任務なのだという結論に至ってしまったのだ。
 もっと言わせてもらえば、日本の警察も地に堕ちたものだ。
警察官の使命感は、残念ながらどこへ行ってしまったのか。
だが、わたしは類い稀なる貴重な経験をした。
腹立たしくもあったがおもしろくもあった。

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