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のはえた尾を備えていなければならなかった。 ひとたび、このような雄の子ウシが発見されると、生まれた場所の東に面する家に入れられた。 そして、四カ月のあいだミルクで育てられると、黄金色の船でメンフィス[古代ヱジプトの首都]に連れていかれた。 そこでは、豚ーの神殿のなかにあるぜ いたくに飾られた二つの部屋が、この雄ウシを待ちうけていた。 そして、ここでこの動物は最高の世話をされたのである。 雄ウシはカーペットの上で休み、走りまわるための広い場所と、自由に雌ウシを選べるハレムを 与えられた。 このウシは、神託によって神性を表した。 神託は、質問されたあとで雄ウシがどの部 屋に入るのか、また食物の提供を受け入れるのかどうかによって読みとられた。 その誕生日を視う ため、一週間にわたり供犠[いけにえを神にそなえること]と舞踏が交互におこなわれた。 |