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じゅんれい


じゅんれい

じゅんれい
褐葉を起こす色素は、タンニン系の物質で、アントシアンと同じく、糖分が変化して、あらたに伯り出されるものであるとされています。
そして、褐葉といっても、その色 調はさまざまで、これは、すでに説明したような紅、黄葉現象を起こす、アントシアンやカロスチノイドが同時に関係しているためと考えられます。
また、作り出されるタンニン系の色素の多少によっても、その色調に変化が生じることはいうまでもありません。
美しい紅(黄)葉が起きるには 以上、紅葉や黄葉現象が起こる原因について説明しましたが、それでは、どういった条件にあるとき、美しい紅葉や黄葉が見られるのでしょうか。
まず、紅葉では、多量にアントシアンが生成されることです。
黄葉では、急激に葉緑素が分解されれぱ、美しい紅葉、あるいは黄葉になることは、これまでの説明からもうなずけます。
したがって、秋になって、葉の機能が衰えつつも、日中は十分に日光に当って光合成が活発に行われ、炭水化物(糖分)をできるだけ多く葉に蓄積させ、 一方、夜間は、気温が 低くなって、呼吸作用が抑制され、蓄積された炭水化物(糖分)の消耗をできるだけ少なくし、また、離層の形成が進んでも葉が枯れにくいように空中温度が高い状態にあること が美しい紅葉を起こすための条件といえます。
そして、秋になっても、気温の低下が顕著に現われないときは、葉緑素の分解が急激になされないために、美しい黄葉はもちろん、美しい紅葉も期待できないことが、理論的には説明されます。
秋になって、紅(黄)葉した葉は、秋が深まるにつれて、しだいに落葉するようになります。
紅葉の開始から、落葉の開始までの期間は、樹種や環境などによって差がありますが、およそ20~3⑪目とみなすことができます。
さて、前にも少しふれましたが、落葉現象は、葉と茎の境に、離層が形成されることによって起こります。
この離層は、葉の葉柄と茎とを接着している二ー三層の細胞がほとんど消減する現象をいい、したがって、葉は、茎に付着することができなくなって、落葉してしまいます。
樹種や生育環境によっても異なりますが、この離層の形成は、落葉する数日~数週間前に始まると言われています。
急に離層が形成されて落葉してしまうものでは、すでに説明した、紅葉のしくみからすると、実際には紅葉は起こりにくいと考えることができます。
したがって、美しい紅葉現象を呈する樹種においては、離層は、落葉する時点よりも、かなり以前(数週間を限度として)にその形成が進行しています。
そのために炭水化物(糖分)が葉に過剰に蓄積されることによって、アントシアンが多量に作られていると判断されます。

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