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細枝は大切に、 細い枝を太くすることはできますが、いったん太くなった枝を綱くすることは不可能です。 鉢植えでは特殊な場合を除いて、幹の太さに対して%以上の太さの枝は見苦しいものです。 そして太くなった枝を不要だからといって切除すると、著しく樹勢を損なうだけでなく、傷口も大きくなり回復に時間がかかってしまいます。 そこで切る必要のある枝はできるだけ綱いうちに切るようにします。 一般に樹形の美観上まったく必要でない枝は見つけしだい切除し、必要ない部分や放置すると樹形や枝振りを乱す部分に発生する不定芽は早めに摘み取る必要があります。 いっぽう、将来は必要でなくなると思われる枝であっても、前記のように樹形を損ねたり、とくに邪魔にならなけれぱ残しておいたほうが無難です。 こうした枝は、かえって樹に力をつけるために残しておいたほうがよい場合もあるのです。 とくに若木で、将来の役枝を早急に決める段階でない樹では、細い枝はできるだけ多く残しておくようにします。 さらに、役枝として残した枝の付近にある細い枝も、万が→の場合を考慮して予備枝として残すようにします。 芽の出る方向を確認する、 枝や小枝を剪定する場合、どの部分で切るかは、切除した後に発生してくる芽の位置と方向を確認して行います。 高木顛に限らず樹木の芽は上へ上へと向かって出る芽ほど強く、これを放置しておくとすべて立ち上がった枝振りになってしまいます。 白然樹の場合には樹齢を経るにしたがって、繁茂した枝白身の重さにより、あるいは積雪などによって枝元は水平あるいは下垂するようになります。 しかし盆樹の場合には白重で枝が下がることはあワませんから、入為的に枝を下げる必要があります。 すでに太くなった枝を下げるには、針金かけや枝吊りによらなければなりません。 まだ綱い枝から枝づくりする場合には、芽の出る方向を考慮して剪定をくり返せば、無理な針金かけをしなくても水平に近い枝振りがつくられます。 それには上向きの芽を残さず、できるだけ水平に伸びる芽を残すようにします。 大切な剪定後の保護、 剪定作業は、樹にかなり負担を強いるものですから、太い枝を切り落としたり、全体に深切りをした場合には、剪定後の保護が必要になります。 とくに太枝を切ワ落した跡の傷口を風にさらしておくと、焼けが入ったり腐ってしまったりします。 剪定の適期は、落葉直後です。 ただし、ブナのようにユズリ葉を観賞する樹種については、止むを得ず、2月下旬頃に枯れ葉をむしってから剪定します。 とくに時期に注意を要する樹種はモミジです。 モミジは枝を切られると樹液をふきやすく、剪定の前にためし切りして様子を見る必要があります。 もし樹液がふいたら春の植え替え適期まで待たなけれぱなりません。 まず根を切り、それから剪定して植え替えます。 |