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クチナシはアカネ科の常緑樹。 暖地の海岸線などに多く、岩山にも素晴しい素材がある。 小品鉢植えとしては昔から作られる有名種で、本格的な好素材もある。 鋏での切り込み作りで鉢で締めて作ることもできる。 葉は対生で枝も二岐に出る。 作りにくい樹ではなく、切り込むと胴吹きもしやすく、枝の作りは容易である。 花は6~7月。 黄色い実は10月 ~11月。 花も実も美しく、小品鉢植えにとっては貴重な好樹である。 クチナシは、曲付けの面白さを生かして作られたもので、足元から振れ8㎝程度にまとめられている。 コナラの小晶鉢植えは入気があり、趣味家によって実生苗などがよく作られている。 小品鉢植えでも実を付けて楽しむことが可能である。 入気樹種のひとつで、今後も小鉢に入れて手軽に作る入が増えるだろう。 コナラの作品は山実生の小さな苗から2年。 曲付けが面白い。 いかにも大沼さんらしい洗練された作り。 苗は2本とも棚場から選んできたポット苗。 ボサボサの状態からひょいひょいと曲付けして仕上げたのが作業後の姿である。 コナラがこのように作れるとは思えないほどの快作。 <なるほど、こうやって楽しめば いいのか>と思わせる。 素材はタダ同然。 品が良くて、思わず笑いが浮かぶような楽しい小品に仕上がっている。 これはもう理屈なしにグッド。 鉢植えにおいて針金の曲付けを好まない方もこの記事を読んでいることだろう。 また、人工の曲付けが絶対にイヤだという人も多いだろう。 けれども、コナラのようなくやっかいな>樹は、さまざまに解説してもやはり難しい。 難しさが先送りされる樹種である。 コナラを作るには、こうしておけばまあいいかと思わせるようなシンプルな姿になっている。 曲付けに注目してほしい。 簡単のようで一番のポイント。 枝の微妙なくねり、前後左右に涙れる線も、鋏で切りつめて、切りつめて作ってもどうにもならない樹種もあるわけである。 小品鉢植えのコナラがそのひとつ。 ぜひ、このシイも同様に見ていただきたい。 小品鉢植えにできない樹は無いなと感じさせる。 仕上がった時はカメラマンも、眼だけは肥えた取材者も思わずうなったほどの出来。 若い鉢植えの愛好家に推めたい。 |